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顧客創造の営業道

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売れない営業マンを売れる営業マンにするには

 前号で指摘したように、「売る」営業担当者は滅多にいないものである。だから売る営業担当者を待ち望んでいるだけでは駄目であり、売れない担当者に皮肉や叱責を浴びせたのでは却って逆効果である。ではどうすれば良いかを今回は考えてみよう。

件数×受注率を上げれば売上は増える

 簡単に言ってしまえば、売上は、担当顧客数や担当案件数を増やして、受注率を上げてやれば、自ずと増えるものである。何も難しいことではないのだ。たとえば、これまで50軒の顧客を担当していた営業担当者に60軒担当させる。そうすると当然ながら抜けや漏れが発生しやすくなるのだが、それで構わない。そこにITを入れて抜けや漏れに対して警告が出るようにする。これをSFA(営業支援システム)のイエローカード機能という。
 一定の日数以上訪問していないとか、行く予定にしていたのに実際には行かなかったということになると、パソコンの画面上にイエローカード(警告)が現れる。こうしてやると、電話くらい入れようかということにもなるし、訪問しないにしても意図的に訪問しないことになって、抜けや漏れを抑えることができる。
 更に、件数を多くしたとしても、それによって受注率が落ちてしまっては意味がないので、受注率を上げる。これにはチームセリングを使うが、要するに、売れない営業担当者に任せておくのではなく、売れる人が考えて適切な行動をとらせる、ということだ。売れない営業担当者が考えずに、売れる上司や先輩が考えれば、受注率が上がるのは必然である。ではなぜそのような簡単なことが多くの企業でできていないのか、というと、顧客情報や商談プロセスが共有されていないからだ。どんなに売る力やノウハウを持っている人でも、その顧客や商談の経緯をつかまずに適切なアドバイスはできないものである。
 世のマネージャーは今やほとんどが自分も売上数字を抱えているプレイングマネージャーである。自分の数字を上げるのが精一杯なのに他人のことまで考えていられない、となる。しかし部下が困っていると放っておくわけにもいかないからアドバイスをするのだが、顧客のことも商談の経緯もきちんと把握していないから「全力でいけ」とか「誠心誠意当たれ」といった精神論的なアドバイスをすることになる。
 そこでチームセリングには、SFAやCRMといった「売上UPのためのシステムツール」を使い、顧客情報や商談プロセスの共有という基盤整備を行う。これによって「売る」営業担当者の知恵やノウハウが「売れない」営業担当者に転移されることになり、全体の受注率を高める仕組みを構築することができるのだ。

簡単なことがなぜできないか

  売上不振に悩む企業が多い中、なぜこのような簡単な売上増の対策がとられないのだろうか。それは、過去の成功が邪魔をしているからだ。多くの日本企業は頑張れば売れた時代を経験しており、今の経営者や幹部はその時代に成功してきた人たちである。頑張れば売れた時代に大切なことは、理屈をこねている間に一軒でも多く回れ、ということであり、プロセスはどうであれ結果を出せば良い「結果オーライ」の時代だったのだ。「結果オーライ・パラダイム」に浸ってしまった人は、右肩下がりの時代に当たり前のことを当たり前に考えることができなくなる。インフレに慣れた人がデフレに対応できないのと同様だ。
 こうした営業部門の「結果オーライ・パラダイム」を粉砕しながらSFAやCRMを導入することが「営業改革」であり、売れない営業担当者も売れるようになる「営業組織力強化」なのだ。
 次回はもう少し具体的に解説してみよう。

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