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孫子に学ぶ売るためのIT化

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孫子に学ぶ売るためのIT化 (其の五)

 昨年から孫子の教えを営業改革に活かすセミナーを何度か開催させていただいている。2500年前の孫子の教えは、IT化が進む現代の営業改革、企業変革を考える上で参考にすべき重要な事柄を多分に含んでいるせいか、好評をいただいている。混迷の時代であるがゆえに教えの原点に立ち返り、大いに先人の知恵を活用し、勝ち残るに足る企業のあるべき姿を模索していただきたいと思う。

営業とは、相手をいい意味で欺くことである

孫子曰く
兵とは詭道なり。故に、能なるも之に不能を示し、用いて之に用いざるを示す。

孫子 営業において重要なことは、顧客の期待を超えるということであり、それをある意味で顧客を欺くことだと考えると良い。顧客が何らかの商品なりサービスを購入しようとする時には、必ずそれに対しての期待値がある。期待があるからお金を払うわけで、顧客満足はその期待値を超える商品なりサービスを提供した時に生まれるものである。
 この顧客満足は、商品やサービスそのものが持っている絶対的な価値で決まるものではなく、顧客があらかじめ抱いていた期待値と実績値とのギャップの大きさによって決定する。商品が高級品で品質が良くても、それに対して顧客が高い期待を抱いてしまうと、「なんだ、こんなに高いのにこの程度なのか」と不満を感じることもあるということだ。
 もっと大きく、良い意味で顧客を欺くには、顧客が考えていなかったことを考えさせるということが必要である。「何かお困りのことはないですか」「今日はご注文はございますか」などと御用聞きをしていたのでは、ネット時代を生き残ることはできない。顧客が困っていたり、問題だと思っていたり、買いたいと思っているようなことは、ネット上で容易に解決してしまうからである。今や携帯電話でテレビ電話が出来てしまう時代である。ブロードバンド化が進むにつれて、各企業のホームページからテレビ会議ができるようになる日も近いだろう。そんな時代になって、高い給料をかけた営業担当者が、ノコノコと顧客を訪問して御用聞きしているようではお話にならない。

最も有利な営業戦略とは競合のない市場を開拓することである

孫子曰く
百戦百勝は、善の善なる者に非るなり。戦わずして人の兵を屈するは、善の善なる者なり。

 競合企業と客先でバッティングした際に、その個別の商談を決めていくことは大切なことである。また営業担当者としても、競合先とのコンペの末にようやく勝ち取った受注は嬉しいものであり、充実感を得ることのできる瞬間だろう。しかし、仮に百回の競合商談に百回とも勝利し、受注を得たとしても、決してそれは最善のものではないと孫子は説く。
 局地戦での勝利を積み重ねて行ったとしても、最後に会社全体として競合先に負けてしまったのでは意味がないからだ。
 戦って勝つのは悪いことではないが、もっと良いのは、戦わずして勝つことだ。もっと良いのは、競合がいない新しい土俵を作ることである。自らが新市場を開拓し、新しい分野を切り拓くことができれば、競合もなく無用な戦いも必要ない。新市場を確立させることは難しいことではあるが、それができれば日々の営業活動は楽に進めることができるし、場合によっては待っていれば注文がくるような状態になるだろう。競合があってもプラスに転じれば悪いことではないが、競合がないならないで、その方が楽に戦いを進めることができる。自社の資源を無駄に使わず収益が上がればそれに越したことはないのだ。
 したがって、営業部門の強化を進める際には、営業担当者や営業組織全体の営業力を高めることばかりを考えるのではなく、いかにして戦わなくても勝てる状態なり、環境を作り出して行くかを忘れてはならない。

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