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孫子に学ぶ売るためのIT化

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孫子に学ぶ売るためのIT化 (其の拾)

 孫子の兵法は、「負け戦はしない」「勝てる相手としか戦わない」ということに集約できる。そこで重要になるのが、勝つか負けるかを戦う前に判断するための情報である。孫子の兵法の要諦は『情報力』にある。だから孫子は、情報をもたらす間諜(スパイ)を重視した。敵の情報を取ってくる間諜は、現代企業の営業マンである。営業マンの『情報力』がビジネス戦争の勝敗を決するのだ。営業部門の情報力を支えるITツール(SFA/CRM)と孫子の兵法はそこで融合する。今回はこのシリーズの最終稿として、孫子の考えた情報力について取り上げてみたい。

事前に「お役に立てる」確信を持った顧客を訪問するべきである

孫子曰く
古の所謂善く戦う者は、勝ち易きに勝つ者なり。

孫子 優れたリーダーとは、勝ちやすい相手に勝つ者である。なぜなら負けは死を意味するからだ。負け戦は決してしてはならない。そこまでの覚悟を持って営業部隊を率いているリーダーがどれだけいるだろうか。「当たって砕けろ」などと無責任な言葉を発していないだろうか。営業は、お役に立てると確信した顧客に対してのみアプローチすべきなのだ。
 どんな顧客でも良いから、買ってもらおうとするような無理をする営業は、時に「大手柄」を生んだり、その涙ぐましい努力は賞賛されることがあるかもしれないが、多くの場合、お客様に喜ばれることも少なく、大きな成果も得ることはできない。仮に大きな成果を生んだとしても、間違いなくその裏には多大な無駄とコストがかかっており、企業全体としては、決して誉められた話ではないのだ。
 それよりも事前に顧客のニーズをつかみ、事前の調査や仮説検討、上司−部下の事前検討を行って、お役に立てると確信を持てた先(見込客)を訪問することに時間をかけた方がよい。こうした「小事」と「当り前」の積み重ねが、肝要である。ここで活用すべきなのがSFA・CRMに蓄積された、商談履歴と成功事例である。この情報は日々の日報入力によって蓄えられたものだから、飾りがない。生きた情報である。これまでの経緯と他の事例を基に、お役に立つ(勝てる)ストーリーを事前に描くのだ。本人がお役に立てるとも思っていない顧客に対し、商談したり提案したりするというのは顧客を馬鹿にしている。当たって砕けるのは勝手だが、当たられる顧客の身になってみよと言いたい。

相手の立場に立って考えた上でどう動くか決めよ

孫子曰く
善く敵を動かす者は、之に形すれば敵必ず之に従い、之に予うれば敵必ず之を取る。

 顧客を動かすためには、まず顧客の立場に立ち、顧客の求めるもの、顧客の利点や利益は何かを知ることが大切である。こちらの都合や自社の利益のために相手を思うように動かそうとしても、うまくはいかない。孫子は、相手を知れば、相手を思うように動かすことができると説いた。
 単純に、顧客の立場に立ち、顧客の利益を考えていれば良いとなれば、何でもかんでも安くして、値引きすれば良いとなる。何しろ顧客は少しでも安いものを求めているのだからと考えては、孫子の兵法を活かすことはできない。
 そこで必要になってくるのがSFA・CRMである。過去からの商談履歴や購買履歴を参照しつつ、顧客の本当のニーズや目的を探るのだ。特に法人向けの営業においては、直接面談している担当者の社内での位置関係、力関係などを把握しておくことが非常に重要である。その顧客企業にとっては利益のあることであっても、その担当者の顔が潰れて、評価が下がるといったことも少なくない。パーソン情報は、このようなときに力を発揮する。どういう立場の人で、前職はどういう仕事だったのか、営業担当者が気付いたちょっとした情報も蓄積しておく。これが引き継ぎなどを行う際に役に立つ。さらに、この人の部署が変わろうと、転職しようとずっと個人単位で情報を引き継いでいくと、確実にこの人が望むものを把握できるようになる。そして、その望む利を見せつつ、自社の利を実現する方法を作り出すのである。
 孫子の教えの根幹は「彼を知り己を知る」情報力にあったのだ。

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