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長尾一洋の営業・風林火山

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長尾一洋の営業・風林火山 其の九

風林火山 戦争では情報が力を持つ。これは孫子の生きた二千五百年前の戦争でも、現代のビジネス戦争でも同じことだ。単にITを活用すれば良いのではない。ITは単なる道具でしかなく、大切なことは情報をどう扱い、何を読み取り、いかに活用するかである。孫子の兵法とIT活用を融合させることで、現代の情報戦略が見えてくる。

定量情報と定性情報を重ね合わせて真実を掴む

◇孫子曰く◇
智者の慮は、必ず利害を雑う。
利に雑うれば、
而ち務めは信なる可し。
害に雑うれば、
而ち患いは解く可し。

 自社の商品が売れて、業績が上がっていたとしても、顧客が仕方なく買っていたとしたら決して喜べない話である。逆に商品が売れず、顧客からのクレームがあったとしても、売れない原因を把握することができ、改良することで、次にヒット商品が生まれれば、それはそれでプラス情報であると言える。孫子は、物事には必ずプラス面とマイナス面があり、裏と表、利と害があることを忘れるなと説いた。
 そこで必要になるのが、定量情報と定性情報を重ね合わせるということだ。どこの企業にも販売管理データがあり、定量的な実績数値はつかんでいる。しかしそれでは結果は分かっても、なぜ売れ、なぜ売れていないのかという理由は分からない。逆に、現場の定性的な情報を吸い上げるIT日報には、売れない原因や顧客の反応などが書かれている。そこには主観が混じっていて必ずしも正確ではないかもしれないが、数値データでは読み取れない貴重な情報が含まれている。この定量情報と定性情報を重ね合わせると、見えなかった「真実」が見えてくる。データは事実を表すが、それで「真実」が見えているわけではないのだ。「真実」が見えれば、そこに利と害、裏と表があることが分かるだろう。良いと思ったことが実は悪い傾向になる前兆であったり、悪いと思ってもその裏には良い流れが隠れていることもある。

情報を社外漏洩する者を絶対に許してはならない

◇孫子曰く◇
間の事未だ発せず、
而して先ず聞こゆれば、
間と告ぐる所の者と、皆死す。

 勝敗は情報によって左右される。したがって孫子は、情報を漏らしたり、その情報を知ってしまった人間は皆殺しにせよと断じた。古代の間諜は現代の営業担当者であり、営業活動上知り得た情報は、諜報活動による極秘情報である。その情報を漏洩したり、漏洩していることに薄々勘きながら見て見ぬ振りをしているような人間を絶対に許してはならない。
 情報漏洩させない一番確実な方法は、情報を一切持たせないことだが、それでは営業活動ができない。顧客情報を持っていなければ顧客を訪問することもできないからだ。情報は武器として持たせるしかない。しかし武器である以上、使い方を誤れば凶器にもなる。情報のセキュリティは必須である。IT日報によって顧客情報や営業情報を共有すると、アクセス権限の管理や閲覧記録などが残り、悪用の抑止が可能となる。ITによって、大量の情報を扱い武器の威力を増すと同時に、情報操作の監視も可能となるのだ。
 もちろん、営業担当者が「俺の客だ」などと言って情報を隠したり、勝手に情報を外部に流したりするようなことは断じて許されない。情報は武器であり、顧客は会社の財産である。すべての顧客は「会社の客」であって、何かあれば責任を取るのは会社である。もし、情報活用の鉄則を理解しない人間がいれば、情報という武器を持たせることはできない。丸腰で戦場に出て素手で戦ってもらうしかないのだ。   <次号へ続く

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