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トップページ > 代表長尾が語る > おすすめBOOKS 2017年版

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おすすめBOOKS

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「公益」資本主義
「公益」資本主義 原 丈人 文春新書 820円
 現状の「株主」資本主義、「金融」資本主義を否定し、「会社は従業員、経営陣、顧客、株主、地域社会、地球全体すべてのものである」と考える「公益」資本主義を提唱している。シリコンバレーを代表するベンチャーキャピタリストとして活躍し、英米流の経営を知り尽くした著者だからこそ、その限界が指摘できるのだそうだ。日本には何でも米国が優れていると考えて米国流を受け入れてしまう人が多いので、そういう人に是非本書を読んで欲しいと思う。四半期決算や社外取締役などを廃止すべきとする提言ももっともであり、たしかにROEは経営を危うくする指標だと思う。「公益」資本主義という提言も大いに賛成だ。
 ただ、せっかく上場には意味がないと資本市場を否定しながら、出された処方箋が上場企業向けなのが残念・・・。そもそも上場しなければ、四半期決算も社外取締役も必要なし。株を短期売買する人もいない。私が処方箋を書くなら、従業員を株主にする社員オーナー経営とする。そして、配当性向はもちろんだが、社会還元性向も予め決めておいて社員オーナーと地域社会や地球環境への還元もルール化する。良い仕事をして利益を出し、まずは税金をしっかり払って社会還元し、その上で社員オーナーや趣旨に賛同できるNPOなどに寄付を行う。これなら上場などしていなくても「公益」を考えた経営ができるはずだ。
ビートルズの英語タイトルをめぐる213の冒険
ビートルズの英語タイトルをめぐる213の冒険 長島水際 あさ出版 1400円
 ビートルズの全曲名を解説した初めての本らしい。特にビートルズのファンというわけではなくても、ビートルズの曲はいくつか知っているだろう。私もそうだ。そして、ファンでもないのに、その知っている曲のタイトルが、なぜそのタイトルなのかが気になる曲がある。なんと、それを解説してくれるのが本書。公式録音全213曲ではなく有名な曲だけでも私の場合は良かったが、ビートルズファンにはたまらない内容だろう。タイトルがつけられたエピソードとともに英文法、スラングなどの解説もついている。中にはビートルズの曲の歌詞で英語を習得したという人もいるのではないだろうか。そういう人には曲とともに英語の復習にもなる一冊。
 ちなみに私が気になっていたタイトルは、Love Me Do, Can't Buy Me Love, A Hard Day's Night, All You Need Is Love, Ob-La-Di,Ob-La-Da, The Long And Winding Roadあたり。謎が解けたものも解けなかったものもあるけれども、なかなか興味深い内容だった。
 ビートルズを懐かしみつつ、英語の勉強をしてみるのにおすすめの一冊。たまにはこういう本を読んでビートルズを聴いてみるのも良いだろう。
AI経営で会社は甦る
AI経営で会社は甦る 冨山和彦 文藝春秋 1500円
 産業再生機構で名を上げ、現在は経営共創基盤CEOとなっている著者のAI時代の経営論。AIを自動車の自動運転など具体的な実生活(命を落とすことがあり得る状況)に応用しようとすると、AI技術の優劣ではなく、それを具現化する実地の技術と、ビジネスモデルによる戦いになると指摘。だからグローバルなサイバー世界で後れをとっている日本企業にもチャンスがあるよという指摘がなされる。その通り!! AIであれIoTであれ限界費用がゼロもしくはそれに近いものは必ず価格競争が起きてコモディティ化するので、そこで負けていても気にする必要はない。AIだなんだと騒いで、今さらAI技術で戦おうなんてことを言い出さないところは偉い。さすが東大からスタンフォードのMBAへと進んだ人はバカではないなと、東大すら出ていないのに思っていたら・・・。
 後半で、資本主義の限界を唱え、ヒューマンキャピタルの重要性を訴えたまでは良かったが、そこから天才技術者を雇えだの、MITかハーバードの修士以上じゃないと通用しないだの、大企業にいる人間は中小に行ったら活躍できるだのと言い出すので、東大卒やハーバード卒がうじゃうじゃいるような一部の企業しか参考にならなくなる。本当の天才は学歴など関係ないしそもそも組織に属そうともしないと思うのだが・・・。
 東大卒でもなくMBAも持っていない人間には後味の悪い本だが、Amazonのジェフ・ベゾスだけは他のIT経営者たちとは違うと指摘するところまでは参考になるので、おすすめしておく。ヤマト運輸とAmazonの関係を見れば分かるようにビジネスは頭脳だけで完結することはなく、ラストワンマイルが詰まるだけで破綻することを忘れてはならない。ちなみに宅急便の父、小倉昌男氏も東大卒で、ジェフ・ベゾスはブリンストン大卒。やはり学歴は必要なのか(笑)。いずれにせよ、新たなビジネスモデルを生み出せる賢い人がたまたま良い大学に行っていたのか、良い大学を出たら良いビジネスモデルを生み出せるのか、因果と相関を混同しない程度の知力は必要だろう。
逆説のスタートアップ思考
逆説のスタートアップ思考 馬田隆明 中公新書 820円
 東京大学で学生や研究者のスタートアップ支援事業を行っている著者によるスタートアップ指南本。ちなみに、スタートアップとは、「短期間で急成長を目指す一時的な組織体のこと」だそうだ。一般的なベンチャー企業よりも、より短期間により高い成長を目指す企業をスタートアップと呼んでいると考えれば良いだろう。
 そのスタートアップに大切なことは、反直観的であることだそうだ。一般の人が直観で感じることの反対の道を行くということらしい。それを書名では「逆説」としたそうだ。要するに一般論、一般常識の逆を行けということであって、「戦わずして勝つ」孫子の戦略論から言えば当然の帰結でもある。
 と、口で言うのは簡単で、実践が難しいわけで、本書の事例もほぼ米国のものだ。スタートアップ向けの教訓めいた言葉も米国のスタートアップ支援者やベンチャーキャピタリストなどの例が多い。やはり日本では初期の資金調達も難しいし、起業後もまずは日本国内で・・・まずは日本語でと考えてしまって、米国のスタートアップのように巨額の赤字も気にせずに一気にグローバル展開する話になりにくい。
 それよりも日本では、本書の内容は中小企業の新分野進出、新事業開発において参考になると思う。カテゴリーもなく、名前も定まっていないようなニッチな事業分野へ逆張りしておいて、その後スケールさせるというシナリオが良い。人口減少、マーケット縮小で閉塞感のある中堅・中小企業の経営者がまるでスタートアップの起業家になったつもりで読むならおすすめの一冊。
「週刊文春」編集長の仕事術
「週刊文春」編集長の仕事術 新谷 学 ダイヤモンド社 1400円
 「文春砲」と呼ばれるスクープを連発している週刊文春の編集長による仕事論。編集という仕事、雑誌や書籍に関する仕事でなくとも、プロとしてトップを走る人、走りたい人には参考になる本だろう。まずこの本の企画を考え著者にOKをもらったダイヤモンド社の編集者のプロ根性を称えたい。
 本書から学べるのは仕事に対する「熱」である。著者は「フルスイング」すると表現している。仕事を自分のものとして、自ら主体的に取り組む「自己発働」があってこそ、プロフェッショナルな仕事が成立し、それによって大きな成果が出る。本書を読んでいると、「働き方改革」で労働時間を減らせ、副業兼業を認めよ、休みをとらせろと、ますます働く人の自主性自発性を阻害し、中途半端な仕事で良しとしようとする流れ、風潮が心配になる。育児や介護など事情がある人や高齢者などは良いのだが、まだ仕事を楽しむほどのスキルもなく、面白さを実感する成功体験もなく、質も量も半人前の若者が、自己成長の機会を失わないことを祈りたい。
 なるべく仕事をしたくないと考えているような人に、本書を読めと言いたいところだが、読んだらきっと「文春の編集部ってブラックっすね」などと言い出しそうなので止めておこう。プロとしてその道のトップを走る人、走りたいと思っている人におすすめの一冊。
伝えることから始めよう

ゼロからの経営戦略 高田 明 東洋経済新報社 1600円
 あのジャパネットたかた創業者、高田明氏による自伝。家業のカメラ店からのれん分けして、1700億円企業を作った著者の人生と仕事が綴られる。テレビショッピングでの口調がそのまま文章になったようで、とても読みやすく、あの微妙に訛った言葉遣いが聞こえてくるかのように読み込むことができる。
 「伝わるコミュニケーション」という章は、営業マン必読。スキルだけで売ろうとしてはならない。パッションとミッションが必要だと説く。ご本人は天性の営業マンなのだろうが、その伝えるコツについても丁寧に教えてくれている。
 企業経営のポリシーは、「目標を設定しない」「自己更新を続ける」「他社と比較しない」の3つだそうだ。目標を持たない主義だという話が本書では何度も出てくるのだが、すぐその後に「月商を300万円にしようと決めた」といったエピソードが出てくる。恐らくインタビューでライターさんが書いているからだろうが、矛盾する話も少なくない。正しくは「目標を設定しない」のではなく「目標に縛られない」「単なる数値目標には意味がない」といった意味だと考えれば良いだろう。ちなみに、最後は「何歳になっても夢や目標を持とう」という話で締めくくり。やっぱり目標は大切だ。
 こうした相矛盾する価値を同時に成り立たせるところに経営の妙があるということだろう。突っ込みどころはあるが、著者の熱い思いが伝わる良い本である。事業承継に悩む経営者、後継者にも参考になるだろう。
ゼロからの経営戦略

ゼロからの経営戦略 沼上 幹 ミネルヴァ書房 2000円
 一橋大学の教授による経営戦略ケーススタディ。11の事例で経営戦略の考え方、特にビジネスモデルの考え方が分かりやすく解説されている。取り上げた企業が、なぜそのビジネスモデルを構築できたのかを創業の経緯などからも紐解く。企業経営者に、経営戦略を考える時にはこれくらいのことを考えてよと言いたい内容。同業者に見えても、実はビジネスモデル、要するに収益構造がまるで違うということが良くある。そこを考えずに同業者と自社を比べて強みが、弱みが・・・とやっているから、どれだけ考えても同質的な戦略しか出てこないことになる。
 事例も新しくて、多くの企業の参考になるはずだ。良著。
わがセブン秘録
わがセブン秘録 鈴木敏文 プレジデント社 1500円
 言わずと知れたコンビニの父、元セブン&アイ会長、鈴木敏文氏による回顧録。そもそも小売の世界を目指していなかった人による究極の素人発想が日本一の小売グループを作ったのだということが理解できる一冊。玄人の常識、業界の常識に囚われて過去の延長線上でしか動けない人は、時代の変化に対応できないということだろう。
 最後の退任の仕方が残念ではあるが、未だに新商品の試食などもしているそうだから、やはり鈴木氏の力は本物だったということか。本書の中にも不可能と思われたビジネスを成功に導いた実績が挙げられていて、参考になる点も多い。人口も減少しマーケットもなくなってしまう中で、なんとか勝機を見出すヒントを見つけたい人は読んでみると良いだろう。常識を打ち破れば戦い方はいくらでもある。
 

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