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トップページ > 代表長尾が語る > おすすめBOOKS 1999年版

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おすすめBOOKS

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仕事の思想
田坂広志  PHP研究所  1400円
 仕事に対する考え方、姿勢を問い直す一冊。単に「金のため」「生活のため」と考えてしまう、浅薄な労働観に一石を投じるものではある。著者の経験や友人とのエピソードを中心に構成され、読みやすくはあるが、どうも普遍性が感じられないのは残念である。売れっ子経済論者としてはもう少し論証に力を入れて欲しかった。若手ビジネスマンにはおすすめ。
会社を変える
田口佳史  日新報道  1400円
 東洋思想と西洋思想の融合による経営学「タオ・マネジメント」を提唱。企業経営の在り方、社員の在り方、顧客との関係、等々西洋的仕組みが行き詰まっていることは間違いない。それをすぐに中国古典に学ぶべきだと結論付けるのは短絡的かとも思われるが、確かに学ぶべき点が多く、今後こうした価値観の転換が迫られることになるだろう。田坂広志氏の「仕事の思想」も東洋的仕事論と言えなくもない。西洋文明から東洋文明への転換点に立つ現代人として如何に2000年を迎えるか、年末年始の課題としたい。
銀行とつきあわない法
邱  永漢  幻冬舎  1400円
 30年前に「銀行とつきあう法」を書いた著者の初の書き下ろし。あれほど多くのzzz著書を出しながら本書が初の書き下ろしであることにまずびっくり。連載原稿を書いたついでに著書を出せるとは羨ましい。それはさて置き、これからの銀行を考える上で是非読んでおきたい一冊。古き良き時代の銀行マンを夢見て金融界に身を投じた人達には申し訳ないが、今の銀行がこれからも通用するとはどうしても考え難い。私ももちろん銀行との付き合いを変えていきたい。と思っていたら銀行の渉外課長が訪ねてきて融資の話。強気で「無担保無保証人で」と言うと・・・
小倉昌男 経営学
小倉昌男  日経BP社  1400円
 クロネコヤマトの宅急便を生んだ二代目経営者の自伝的経営書。経営者の意思決定を学ぶには最適な一冊だろう。ヤマト運輸のサービスが具体的に目に浮かぶだけに、それを背後で支える理論、コンセプトは理解しやすく、非常に参考になる。業態化、商品化などは特に詳しく触れられており、同業者はもちろん、サービス業の方は必読。経営者、二代目経営者にも是非読んでいただきたい。 
思う、動く、叶う! 
澤田秀雄  サンマーク出版  1500円
HISやスカイマークエアラインズで知られるベンチャー起業家の経営論。ベンチャーのエネルギーが伝わってくる良著。確かに「ハワイへ行こうと思わない人はハワイへは行けない。」結局は、やる人とやらずに批評で終わる人の差であって、能力や才能のせいにして、動こうとしない人は何もできないということだろう。「思い」の大切さを改めて感じさせられた。人間の行動は思いによって左右される。若手経営者、ビジネスマンは必読。
社長が変らなければ、会社は変らない
田辺次良   レジデント社  1600円
タナベ経営二代目社長が書いた経営者論。自身のコンサルティング経験の中で出会った経営者を取り上げながら、経営者のあるべき姿について説く。コンサルタントが書いた本というよりは、二世経営者が自分自身のあり方を考えたエッセイ集といった感じの本だ。経営者、二世経営者は読んでみるといいだろう。
連結の経営
金児 昭   日本経済新聞社   1400円
企業会計を取り巻く環境が大きく変化している。キャッシュフロー計算書や税効果会計などブームのようになっているテーマもある。その中で、非上場の中堅・中小企業にも是非検討してほしいのが連結決算だ。中小規模でも複数社の経営を行っているところは多いが、単に節税のための会社であったり、有名無実のグループ経営も少なくない。グループ全体の業績を正しくつかみ、グループとしてのあるべき姿を明確にしていく連結を考えてみてほしい。その入門に最適。
マイクロアウトソーシング 
上田宗央   日刊工業新聞社  1800円
パソナ副社長が書いた新アウトソーシング論。個人の活用という点に着目したのはさすがである。アウトソーシングはともするとリストラの手段として人を排除するものと認識されがちだが、それはアウトソーシングの初期段階の認識だ。人を活かすためにアウトソーシングを取り入れるということがこれから必要になるだろう。本書では仕事を細かく分けて、個人個人が得意な、好きなことをやれば良いという提案がなされているが、どうも中小企業のことは分かっていないようだ。確かに概念としてはもっともであり、賛成なのだが、中小企業では仕事を小さく分け過ぎると仕事が少なすぎて上手く行かない。単に仕事を切り分けるという「マイクロ」という概念ではなく、個人単位の強みを「リンク」するという「リンクソーシング」という概念に昇華させなければならない。 
元気と勇気が出る仕事術
樋口廣太郎   オーエス出版社   1456円
 スーパードライがたまたまヒットしたから持ち上げられているだけだろうと、樋口さんの著書や発言にはどうも懐疑的で、これまで避けていたのだが、ある人の講演で樋口さんの話が出て、本書を読んでみた。実力の人でした。深い智恵と経験が感じられる。この人だけにアサヒビール躍進の原因を求めるわけには行かないが、こういう人がいたからこそ、という部分は否定できないだろう。単なる銀行家、ビジネスマンではなく、思想的哲学的背景をもった企業家と言える。樋口さんの本はたくさん出ていて、本書は5年前のもので古い部類の本ですが、良い本です。私と同じように樋口さんに懐疑的な人はまず本書から読んでみられることをお勧めします。
消費不況こうして突破する
ビル・トッテン   PHP研究所   1143円
アメリカ人が書いた日本のあるべき姿。自由主義・資本主義の行き詰まりと米国の横暴を解りやすく解説してくれる。著者が提示する処方箋にすべて賛成するわけではないが、確かに今の日本では盲目的米国礼賛がある。日本に生まれた日本人として、日本の歴史や価値観についてもっと勉強し、これからの日本のあるべき姿について日本人自身が考え答えを出していかなければならないだろう。必読の書。
景気浮揚は夜の街から
唐津一・邱永漢   PHP研究所  1143円
景気は氣から。発想の転換による景気浮上策。不況、不景気と言うものの、日本は世界一裕福である。餓死する人はいない。ホームレスでも食って行ける。ビル・トッテンではないが、確かに日本人は簡単にマインドコントロールされるようだ。また平均値にすぐ騙される。もっと現実を見つめ、自信を持つことが重要だ。そして過去の延長ではなく、新しい発想を持つこと。夜の街に繰り出すのも悪いことではない。それに罪悪感を感じる私自身がマインドコントロールされているのかもしれない。
日本復活
稲盛和夫・瀬戸内寂聴・中坊公平   中央公論新社   1200円
中坊ファンの一人として、この三人の中で、中坊さんがどんな話をするのか興味があって読んでみたら、中坊さんもお坊さんだった。それもこの三人は以前から知り合いだったようで、人の縁には驚かされる。人を惹きつける魅力があるということかもしれない。内容はいろいろなトピックについて対談しているものだが、それぞれ説得力があり、ついつい一気に読み終えた。人生に座標軸を持つことを決意させられる一冊。
図解 ナレッジマネジメント  
アーサーアンダーセン   東洋経済新報社  1600円
やはりナレッジマネジメントは図解にしてもなかなか難しい。しかしナレッジマネジメントの入門には最適な本でしょう。自社の事例を中心に展開しているので、具体性があって理解(イメージ)しやすい。他のナレッジマネジメント関連の難解な理論書を読む前に本書を読んでおくと良いでしょう。米国の会社だけに横文字が多過ぎるのが少し難点。企業文化の問題に踏み込んでいるのはさすがコンサル。
時流は変わった
船井幸雄   PHP研究所   1429円
ここ数年の船井本の中では一番の内容ではないかと思う。読み終えて前向きかつ楽な気持ちになれる本。多くの人が時代の変化を感じてくれれば良い。『自分だけが大事の時代に代って出てくるのが、「自分も他人も同じように大事」という「自他同然」の視点です。それは当然、自分たちだけがいい目を見ようという「分散」や「隔離」という動きではなく、「融合」「統合」という動きになります』というあたりをしっかり読んで欲しい。時代は確実に変化している。
インターネット財閥経営
滝田誠一郎   実業之日本社   1600円
ソフトバンク社長、孫正義氏の起業ストーリーと経営戦略についてまとめた一冊。西和彦氏や本人への取材をもとに構成されており、興味深く読めた。本書を読むと、改めて企業経営者にはビジョン構築力が必要であることを実感させられる。ビジョンを描き、それを実現するために驚くほどの行動力を発揮する孫社長は、時に異端児扱いされ、将来を危惧される存在であるが、あれだけの成果、実績を残すには、常人の考えが及ぶ範囲では理解できないのも仕方ないことだろう。孫氏曰く「最初にあったのは夢と、そして根拠のない自信だけ。そこからすべてが始まった」
むずかしく考えるな 楽しくやれ
飯田 亮   日本実業出版社   1500円
 セコムの創業者であり、現最高顧問の飯田亮氏の語り下ろし。セコムの若手社員に語りかけるかのようにビジネスについて、経営について、人生について語られている。「仕事の傷は仕事で癒す」「流した汗は安く売らない」「血相を変えて叱れ」「能ある鷹は爪を研ぐ」など飯田氏ならではの提言が満載。やはりこの人は凄い人です。コンセプトがしっかりしており、そしてそれがシンプルで分かりやすい。だからこそ、セコムをここまで大きくしてこれたのでしょう。企業経営者は是非見習いたいものです。孫氏も凄いが飯田氏には更に暖かみが感じられます。私の最も尊敬する経営者です。
経営の「常識」に偽りあり
森秀太郎 日本経済新聞社 1600円
東芝、東京電気を経て、現在ダイワ精工会長を務める著者の実践的経営論。タイトルにもなっているように、確かに経営の常識と考えられていることにも間違いや一般になじまないものが少なくない。特に比率や平均という数値化した指標は使い方を間違うととんでもないことになってしまう。本書は製造現場から叩き上げてきた著者らしくQC的見方が根底に流れ、品質とコストに対する徹底した取り組みが感じられる良書である。一般にこうした内容だと管理的、結果論的なものになりがちだが、本書は学者ではなく経営者が書いているだけに「死んだ子の年を数えるな」といった現実的な内容もあり、生きた経営論になっている。また東芝時代の土光さんのエピソードも面白い。
食は運命を左右する
水野南北著 たまいらぼ 1500円
日本の人相学の基礎を作った江戸時代の相者、水野南北の「相法極意修身録」の現代語約。相者である水野南北が運命は相ではなく食で決まると説く。どんなに貧相でも粗食であれば幸運をつかむというのだ。また、美食を避け粗食を続ければ、人相も変わって来るという。水野南北は「万に一つの間違いなし」と言われた人相学の大家であり、観相の時には必ず食の多少を尋ねたという。そしてこの相法が法華経の教えに通じるというから驚きだ。飽食の時代に粗食を楽しんでみてはいかがでしょう。
アウトソーシングの時代
村上世彰編著 日経BP社
通産省のサービス産業企画官がまとめたアウトソーシングの解説本。お役人だけに統計データが多いが、さすがにアウトソーシングの現状についてきちんと整理されている。現状では、アウトソーシング自体の定義が非常に広く、どこからどこまでをアウトソーシングと呼ぶべきなのかが不明確なため、データや事例を見るだけでは、本質的な理解は難しいが、いずれにせよアウトソーシングが今後日本でも普及することは間違いない。その時にどう活用し、自社の経営をどう変えていくかを今から考えておきたいものである。 
繁栄への招待状
船井幸雄 NOMA総研
船井幸雄氏の講演録。本にするために整理された内容ではなく、その時々に合わせて話した内容だけに、年代を追って読んでいくと興味深い。やはりこれからの時代は「本物」でなければ生き残れないようだ。船井氏曰く、本物とは、単純・万能で、即効性があり、良いことばかりのものであるという。「そんなものあるのだろうか」と疑ってみたくもなるが、大切なのは原理原則であり、表面的な虚飾に騙されないことだと思う。少なくとも「本物を目指したい」と本人が考えることが先決で、揚げ足を取ることばかり考えないようにしたいものだ。
社風創造
名倉康修& 致知出版社 1500円
著者が言うように、確かに社風は大切だ。社風が人を育て、社風が人を動かす。そして社風は一朝一夕に変えたり、作ったりできるものではない。また、お金を出せば手に入るものでもない。だからこそ、良い社風は価値がある。本書は、泥臭い社風創造のやり方を実例を交えながら紹介している。中にはちょっとどうかなという提案もあったが、風土や文化を変えたいと考えている企業には参考になるだろう 
石橋を叩けば渡れない
西堀栄三郎 生産性出版 1600円
南極越冬隊長や原子力船の開発などで知られる西堀栄三郎氏の創造性開発論。やはりこの人は素晴らしい人です。南極や原子力船の他にもヒマラヤ登頂、品質管理などでも日本の第一人者としてリードした氏の基本理念に触れることができる。日本の産業界は欧米の目新しいコンセプトに注目してばかりいないで、もっと西堀栄三郎氏に注目すべきだと思う。経営者、管理者必読。この人の素晴らしさについて、本の最後に載っている、唐津一氏の解説文を読んで再度唸らされた。
営業戦略大修正
水口健次 プレジデント社 1500円
マ -ケティングで有名な著者の最新刊。これまでの常識を捨て去り、17の戦略を打つよう提言。大修正というほど大袈裟な内容ではないが、実務家らしい現実的かつ説得力のある提言である。著者が言うように、営業現場、販売現場は今変革が求められており、従来の常識を捨てる必要がある。政府のせい、景気のせいにできない、現場の実務者は泣き言を言う暇があったら一つでも二つでもアクションを起こして欲しいものだ。 
明日を支配するもの
P.F.ドラッカー ダイヤモンド社 2200円
ドラッカーの最新作。いよいよ我々が21世紀に向けてどう行動するべきか、どう企業を経営していくべきかが具体的に見えてきた。著者は、「はじめに」で読者に行動を促す。考えるだけでは駄目だ。具体的に動かなければならない。そのためのヒントが満載されている。知識が大切だということは、今では誰もが言うことである。しかしその知識を活かし、知識労働者を如何にマネジメントしていくかを明らかに提示するのは、やはりドラッカーである。私は本書を読み、NI(ネットワーク・アイデンティティ)経営の必要性を改めて確信した。必読。 
ナレッジ・マネジメント 実践の技術
野中郁次郎他共著 リックテレコム 2000円
NTTデータが開発したという「ナレッジサーバー」なるナレッジ・マネジメント用ツールの紹介本。野中郁次郎氏や紺野登氏などはちょこっと書いているだけで、製品紹介と事例紹介が大部分を占める。そういう点で具体的提案であり、評価できる。ナレッジ・マネジメントがどうも理屈ばかりで分かり難いと考えている人にはおすすめ。ただし、本当にこんなシステムを運用できるのかと大きな疑問を持った。ツールを用意するだけではナレッジ・マネジメントは進まない。
人を動かすコトバ
中谷彰宏 実業之日本社 1400円
読者参加のコピー塾を単行本にまとめたもの。文章を書く仕事をしている人は是非読んで見るといいでしょう。コピーの基本が学べます。ちょっと納得できない解説もありますが、この中谷彰宏は大したものです。好きではないのに、ついつい読んでしまうのは私だけではないでしょう。感覚的なコピーの善し悪しをここまで明快に書いてくれた本はあまりないと思います。
なぜ日本企業では 情報共有が進まないのか
田坂広志 東洋経済新報社 1500円
書いてあることは正しい。もっともである。言いたいことは良く分かる。で、いったいどうすれば良いのか、具体的解決策は乏しい。提示されている手法はあまりにプリミティブである。それだけこの情報共有という問題は人間の本質的な問題に突っ込まなければならないという証拠であろう。ナレッジ・マネジメントの普及における氏の貢献度は大きいが、ナレッジ・マネジメントには価値観の転換が不可欠であり、情報システムの延長線上に解決策はない。ツールの提供と推進方法の切り分けが重要である。 
青年社長(上・下)
高杉 良 ダイヤモンド社 各1600円
 ワタミフードサービス社長、渡邉美樹氏を高杉良が実名で取り上げた経済小説。小説とはいえ、かなり事実に近いのではないだろうか。30代で二部上場企業の社長となった渡邉氏のパワーと行動力を見習いたい。私自身、渡邉社長にお会いしたこともあり、本書を読みながらかなり感情移入してしまい、一気に読んでしまった。若手経営者、後継者は必読。起業家を志す人も是非読んで欲しい。「俺もやるぞ!」と思える本です。 
氣の確立
藤平光一 東洋経済新報社 1500円
  あの中村天風と合気道の創始者植芝盛平の弟子でありながら、二人の師匠の限界を鋭く指摘した内容。本書で指摘しているように、確かに中村天風氏が唱えるクンバハカなどは頭で分かっても実践が難しい。心が身体を動かすというのも理解できる。「これは中村天風を超えた人がいた」と感激して、藤平氏の書いた他の本を買い漁り、実践してみようとやってみたが、やっぱり難しかった。頭の理解と実践の修得は違うようだ。しかし内容は素晴らしいので是非お読みください。
マーク?ブランドの向こうに見えるもの
山田敦郎 読売新聞社 1600円
ルイ・ヴィトン、オメガ、エルメス、ナイキ、インテル、ソニー、マクドナルドなど著名ブランドのマークの歴史とマークに隠されたこだわりやアイデンティティをインタービュー形式で紹介している。「このマークはこういう歴史があったのか」と読み物として楽しむこともできるだろう。もちろん、ブランドの育て方、マークの使い方、アイデンティティの保ち方などを学ぶにも良い本である。売れない時代に売るためのブランド戦略は大企業、中小企業を問わず必要になっており、ブランドやマークといったものに興味のない人にも是非読んでみて欲しい一冊である。 
希 望
船井幸雄 実業之日本社 1500円
  著者もまえがきで述べているように、インタビュー内容をライターが起こした内容をもとに本を作っているため、他の船井本にはない本音の部分が出ているようだ。多くの矛盾が噴出している現状を打破するには、やはり一人ひとりの意識を変え、新しい価値観を持たなければならない。そういう意味で船井氏の果たす役割は大きいと思う。カルトとか宗教的という批判を受けることも多いが、それだけの問題提起をしているということであり、またそれなりに読者の共感を得ているという点で素晴らしい。同業者として見習わなければならない点も多く反省させられる。いずれにせよ希望をもち新しい世紀に臨みたいものである。
グランド・ストラテジー
マイク・デビッドソン TBSブリタニカ 1200円
ジェミニ・コンサルティング副社長の21世紀に向けた経営指南書。コントロール主体の従来型マネジメントから使命、価値、目的といったミッション型のマネジメントへの転換を解りやすく解説している。これからの経営は機械を動かすことによって付加価値を生むのではなく、あくまでも人間を動かすことによって付加価値を生むということが大切なのであろう。工業化社会で培ってきた経営学自体が見直される時期に来ていることは間違いない。 
渋澤論語を読む
深澤賢治 明徳出版社 1500円
近代日本経済の父と言われる渋沢栄一が論語を解説した「論語講義」を更に現代風に解説した勉強会の内容をまとめたものである。論語と算盤、倫理と経済の一致を唱え、自ら実践した渋沢栄一の実体をより理解することができるだろう。「論語講義」自体も非常に面白いが、確かに言葉が古めかしく理解しにくい面もある。その点で本書は渋沢論語入門に最適であろう。
最後に残る智恵
ダニエル・ベル  たちばな出版  1600円
「イデオロギーの終焉」「脱工業社会の到来」などの著作で知られる巨匠ダニエル・ベルの最新著。近代科学やテクノロジーの発展に翻弄される現代ビジネスマンへの警鐘をならしている。工業社会から脱工業社会への変化はテクノロジーによって実現するのではなく、それを活用する人間の価値体系が変化することによって実現するという。確かに最近の技術進化のスピードは速いが、それによって直接我々の生活が変わったりするわけではない。蒸気機関の発明や電信の発明なども同じようなことである。しかしそれらのテクノロジーをどう使っていくかという人間の智恵によって、その後の社会の在り方が決定されたのである。時代の変化を読むために必読の一冊。
第三の波を生きる
ジェレミー・ホープ、トニー・ホープ トッパン 2600円
  アルビン・トフラーが唱える第三の波を前提として、その社会変化にどう対応するべきかを10の問題として解説。?戦略?顧客価値?知識管理?企業組織?市場志向?管理会計?測定と管理?株主価値?生産性?企業変身の10のテーマである。ダニエル・ベルの脱工業社会もトフラーの第三の波も同じような社会変化の到来を予測したものであるが、既にこれらの変化は現実となって現れ進行している。それに対して具体的に対応している企業はまだまだ少数であろう。本書は凸版印刷のちょっと地味な本ではあるが、非常に広い範囲の10個の課題をよく整理しまとめている。是非参考にすべきであろう。但しちょっと読むのに疲れる本ではある。
社長失格
板倉雄一郎& 日経BP社 1600円
  97年12月に破産したベンチャー企業、ハイパーネットの元社長が書いた告白ノンフィクション。ベンチャーの脆さがよく分かる本である。ベンチャー支援に躍らされ潰されたという内情を知ってもらい弁明したいという気持ちは良く分かるが、日本にはまだその土壌ができていないように思う。経営の道標にも書いたが、日本のベンチャー支援の在り方には大きな問題がある。今のままではせっかくいいアイデアやビジネス構想を持っていても着実に育てていくことが難しいのではないだろうか。金融機関からの融資に頼ること自体が当の金融機関の手によって閉ざされつつある以上、資金調達の道は多様化するだろう。アウトソーシングの活用によって資金需要自体を少なくする経営も増えてくる。若手経営者、ベンチャー志願者にはお勧めの一冊です。
 

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